読書

7/21日記(『ルックバック』ネタバレ感想)

2021年にこの物語を読むとき、「京アニ事件」と「マンチェスターのテロ犠牲者追悼集会でのDon't Look Back in Angerの合唱」のことを連想する人は多いのではないだろうか。あまりにも鮮烈で、悲しく、やるせない、そういう事件とそれに手向けられた想いのこ…

12/25日記(『ダブル』第二十二幕ネタバレ感想)

これから『ダブル』第二十二幕、ヘドウィグ・アンド・アングリーインチについての話をしますが……。してもよろしいでしょうかね……。 1.ベターハーフとして 「多家良と友仁の関係は変わってしまったのか?現在二人は互いにどのような感情を持って接しているの…

11/25日記(『ダブル』第二十一幕ネタバレ感想)

今回の話を読み終えて一番はじめに、友仁ってめちゃハート強いなと思った。思いませんでしたか?無名なのに人気俳優の九十九の代わりとして抜擢、有名演出家の元での初舞台。でもその演出家は自分を添え物としか見ていない。さらに、多家良が毎回インタビュ…

11/5日記(『ダブル』第二十幕ネタバレ感想)

そもそも「世界一の役者」とは何か?という話である。 アカデミー賞受賞者?トニー賞受賞者?世界三大映画祭での受賞者?最多ノミニー、歴代最高興行成績、史上最高額のギャラや出演作品最多など、なんらかのタイトルホルダー?知名度No1俳優?好感度No1俳優…

8/28日記(『ダブル』第十九幕までのネタバレ感想)

野田彩子『ダブル』を読んだ。コレはフォロイーがものすごく推している漫画で、私も文化庁メディア芸術祭とか次に来るマンガ大賞の入賞などで名前はちょくちょく目にしていた。でも読まなかった。重苦しそうなストーリーが今の気分にそぐわない予感がしてい…

9/14日記(レベッカ・マカーイー『赤を背景とした恋人たち』)

レベッカ・マカーイー『赤を背景とした恋人たち』を読んだ。『赤を背景とした恋人たち』というのは、シャガールの絵のタイトルでもある。 この小説の舞台は16年前のニューヨークだが、登場人物の一人はバッハだ。マンション販売を生業とする現代女性が、ピア…

9/6日記(『凪のお暇』感想)

熱が出た。病院以外になんもすることがなくて暇だったので『凪のお暇』を読んだ。評判がいいので期待していたが、自分には合わなかった。ただ、ストーリーは面白いと感じた。人気が出ること自体はよく分かる。ただ私が単純に主人公の元カレとセフレのどちら…

6/2日記(『ピエール瀧の23区23時』感想)

『ピエール瀧の23区23時』を少し前に読んだので感想を書いておく。これは2010年の暮れから2012年の春にかけて、ピエール瀧とスタッフが夜の東京23区を順番に散歩するという企画を本にしたものだ。「既視感のある企画だな」と感じた人もいるのではないだろう…

4/18日記(『ティファニーで朝食を』感想)

カポーティ『ティファニーで朝食を』を読んだ。『冷血』は読んでたが、取っつきやすそうなこちらを読んでなかったのには理由がある。映画版のせいだ。映画版はオードリー・ヘプバーンの代表作であるため知名度も高くて人気だが、登場人物の一人であるユニオ…

3/25日記(こんまり)

今更こんまり本を読んだ。日本でも世界でも今こんまりは第二次ブームだと思うのだが、私の周りに限って言うと一次ブームの時こんまりメソッドを実践してたのは女性、特に主婦や年配の方が多かった。例えば女友達から「今ときめかないもの捨ててるんだー」と…

2/14日記(ゴールデンカムイ感想、189話くらいまでのネタバレあり)

大変だーーーーーーーーー!!!!!ゴールデンカムイが、ヨブ記!ヨブ記ーーーーーーーーーーーー!!! ゴールデンカムイは一応連載を追っているのだが、時々ヤンジャンを読めないこともあった。あと、連載では主人公が出てくるメインストーリー以外は読み…

12/2日記

レベッカ・マカーイー『赤を背景とした恋人たち』を読んだ。が、今日は詳しい感想を書くのはやめとこうと思う。この小説、読んでいて高畑勲『火垂るの墓』の清太の行動を「自己中心的だ」として批判する人がいることを思い出した。べつに戦時中でも人間、耐…

11/25日記

三連休は楽しく過ごしたが結果として身体に負担がかかっている。欧州文芸フェスティバルのクロージングに招待されてベルギー大使館行ったり、軽音のメンバーが家に来たりという感じでバタバタして、連休明けの明日と明後日はまた病院である。 初日は軽音の先…

11/21日記(『岡崎に捧ぐ』感想)

完結した『岡崎に捧ぐ』についてやっと書く。この漫画について、「ミレニアル世代版ちびまる子ちゃん」だという評価をよく聞くが、性質はかなり異なると思う。子供らしい万能感や多幸感に包まれた前半もたしかに良いが、人生におけるなんらかの成果や自分の…

10/31日記(トム・ハンクス『変わったタイプ』感想)

トム・ハンクス『変わったタイプ』を読んだ。俳優の書いた小説ということで、ほのぼのした善男善女のハッピーエンド集かなと思ってたけどそうでもなかった。そういうものよりは、彼の見てきたアメリカを彼の感じたままに写し取ろうという試みに感じた。彼に…

10/27日記

神保町ブックフェスティバルに行った。本は好きだが、神保町はどちらかと言うとコレクターのための街だと感じていて、あまり行かない。加えて私は電子書籍信奉者なので普段こういうタイプの催しには反応しないのだが、未知谷が半額セールをやると聞いたので…

10/4日記(『ダルちゃん』感想)

今日ははるな檸檬『ダルちゃん』の最終回だった。特に思い入れもなく時々読んでただけなのでこれといった感想を持ってなかったのだが、みんながボコボコに叩いててびっくりした。それだけ作品のテーマについて期待していた人が多かったということなのかもし…

9/12日記

本が読みたい。トム・ハンクスの『変わったタイプ』をやたらみんな推してるが、読んだら負けのような気がして読めない。個人的な葛藤でしかないが。 となると何を読むかだ。イアン・マキューアンの『憂鬱な10ヶ月』を途中まで読んでたが、これは今読むにはテ…

8/16日記

横光利一の『機械』をなんとなく読んだ。学生以来だ。 その時は小さなネームプレート工場、金や機密に対するセキュリティの杜撰さ、粗野な同僚、という感じから、主人公に対しては冷笑的であるだけのワーキングプアのイメージしかなかった。こう、氷河期世代…

8/15日記

終戦記念日。在位期間最後だったなと思いながら、天皇陛下のお言葉を聞いた。ここ数年、首相の方は平和とか反省という言葉を使わないが、反対に陛下はそれらを強調してるので面白い。現皇太子殿下の来年のお言葉がどうなるのか気になる。 いきなり話題が俗っ…

8/8日記(『一日外出録ハンチョウ』)

本当は午前中に訪問する場所があったのに、台風の接近とともに物凄く体調が悪くなったのでぼんやり家で過ごした。全く体調良くならなかったが、手持ち無沙汰で洗濯物畳んだり、上の棚にある重い鍋や割れ物を下に収納したり、最終的にはベッド組み立て直した…

7/18日記

暑すぎる。酷暑の中郵便局に荷物を送りに行ったが、行く道すがら死ぬかと思った。ただ郵便局自体は涼しく、オフィスビルの中であるせいか顧客もてきぱきしたビジネスパーソンばかりでとても良かった。あと、家で貯めてる小銭を時々口座に入れてるので、貯金…

7/17日記

Amazonのセールのことを思い出して本(物理)をいくつか購入。プライム会員だが、この暑い中配達する物流の人のことを考えるとお急ぎ便を使えなくなってしまった。 Kindle本もいくつか買った。で、夜の間に『わたしたちは子どもに何ができるのか』という、人間…

6/1日記(ハン・ガン『ギリシャ語の時間』)

読む本がないので、ハン・ガンの『ギリシャ語の時間』を再読した。誰か本を勧めてほしい。 『ギリシャ語の時間』はめちゃくちゃ暗い気分になる作品で、人生の詰みが確定した主人公二人の物語だ。二人の境遇は似ている。それぞれ愛する対象を失い、身体に進行…

5/20日記

体調崩して一週間以上経った。喉はかなりマシだが鼻の調子が悪い。コンディションが八時間くらい泣き続けた人みたいな感じになってる。処方薬を飲み終わってしまったので具合悪い気もする。 そういう状況なのでやはり全然生産的なことができない。食洗機が調…