2/9日記(藤原竜也の出演作)

藤原竜也の出演作を見ようということになり、Netflixで見た。

藤原竜也出演作のイメージは、直木賞候補の犯罪作品の映画化、もしくはヒット漫画の映画化という感じである。つまりあまり私の好みとは言えない。


悩んだ結果『サンブンノイチ』を観てみたが、大変脚本が酷くて途中で投げ出した。これは品川庄司の品川が監督してるのだが、しゃべくり漫才をイメージしたと思しき会話シーンも笑えずに酷いし、設定もなんだこれ……という感じでダメすぎた。藤原竜也の演技は素晴らしいので、より脚本のダメさが引き立っていた。

特に、セリフ回しが下手なのに会話劇を気取ってる点がひどい。「金が手に入ったのでいい女を抱きたい、ビヨンセに百万バーン叩きつけてやりますよ」「いや百万程度じゃ股開かんやろ」と言うはじめの方のやりとりを聞いた時点でもうダメだった。まずボケもツッコミも面白くないし、ポリコレ的にもどうか。面白くなるとされるセオリーに則ってそれっぽい会話を書いて試してみましたという感じで、完全に滑ってる漫才を見させられてる気になり、恥ずかしくてキツい。三十秒くらい見てるだけでも共感性羞恥が襲ってくる。

タランティーノ関連のセリフや、彼のエピソードや作品からインスパイアされたと思しきシーンがあるし、会話劇を気取っているところからも一応タランティーノのオマージュだと思われるのだが、クオリティが伴っていなくて辛い。藤原竜也主演の『バトルロワイヤル』はタランティーノのフェイバリットらしいので、こんなクソ映画に出るならばタラ本人の映画にぜひ出てくれ。


キツすぎたので次に『インシテミル』を見た。これも酷かったが、『サンブンノイチ』よりはマシだったので最後まで見た。これは心理実験のアルバイトとして招集された老若男女が隔離されて互いに殺しあう羽目になるという内容で、つまりバトルロワイヤルである。藤原竜也は何度殺しあえば気がすむんだ。

この作品は妙に俳優が豪華で、藤原竜也綾瀬はるか石原さとみ片平なぎさ北大路欣也武田真治平山あや……という具合である。それぞれ主役を張れそうなメンバーだ。あとで調べたら、これはホリプロ二十周年記念映画で、全員ホリプロの看板役者とのことだった。

ただ俳優の豪華さに比べてセットと脚本がひどい。ストーリー上、登場人物が監禁される館のセキュリティ設備は過剰であり、ボットが徘徊してルールに違反した登場人物に制裁を加えるという設定になっている。

そのためボットは恐怖の対象でなくてはならないはずが、作りが安っぽいせいで全く説得力がない。バラエティ番組とかのセットに見えてしまう。

あと脚本も内容を詰め込みすぎている上、犯人についても唐突な印象が否めないし、設定についてはツッコミどころも多い。いろいろ説明されていない点が多くてモヤモヤする。

でも藤原竜也はいい仕事をしている。なんていうか、泥の中に咲いた蓮の華という感じだ。

藤原竜也関係の映画ではやはり『バトルロワイヤル』を外すことはできないのだが、あれは中二病の時に見てナンボという作品なので今再び見てもなぁ……と思う(一応未成年で履修済み)。あとは『デスノート』とか『カイジ』なのだろうか?うーん……。藤原竜也主演で何かオススメの映画があれば、だれか教えてください。