8/2日記(セイキン)

 ヒカキンについて考えた次はセイキンについて考えている。セイキンはヒカキンの兄で、彼もYouTuberとして人気なのは万人の知るところなのだが、ちょっと調べてみてもセイキンのことが全然分からない。ただ、芸能人でも「○○のきょうだい」として現れた存在は成功が難しい気がするが、まあ彼はがっつり成功していると言える。
 正直なところ彼のルックスやファッションは、「中学の頃にシンナーやりすぎて多少身体にダメージが残ったが、今は更生した優しい先輩」という感じがする。板金工として真面目に働いており、おばあちゃんっ子で妻子に甘く弟分に慕われている感じで、北九州では珍しくないタイプだ。
 しかしヒカキンによると彼は真面目に毎日勉強する優等生でインターハイでも4位、大学の後に電力会社勤務という文武両道の努力家タイプらしい。さらに歌も上手く、作曲の才能もあり、ヒカキンのテーマソングを歌ってるのも彼らしい。人は見た目じゃないねという感じである。

 とりあえずセイキンのファン層が疑問でツイッターで調べたところ、普通にセイキンをYouTubeスターとして応援している人たちがいる一方でセイキンを何か異質なものとして扱っている層がいることに気づいた。彼らによるとセイキンの動画は「どこかおかしい」らしい。そういう考えを持った上でセイキンの動画を見ると確かに、本当に大丈夫なのか?という気持ちが沸き起こってくる。
 「おかしい」とされている動画「セイキンとマンドリルのアニマルクッキング♪ - YouTube」を見ると、セイキンとマンドリルのお面を被った人間が現れ、謎の会話をはじめる。画面中央にはガチャポンがあり、歪んだ文字で「にんげんのなやみ」と書かれている。ガチャポンの中身のカプセルは全て紫色で、この辺もなんか凶々しい。かなり不穏な空気で、悪夢ってこんな感じだよな……と思わせる何かがある。
 その上、よく見るとなぜかセイキンたちは合成である。ちなみに背景はただの部屋だ。
 マンドリルをよく見ると、こっちもセイキンであり、冒頭の合成はこのためっぽい。???????スタッフにやらせろよ……?そのあとセイキンはタイアップの商品を用いた料理を何個か食べて、判で押したように「とても簡単で美味しいです」で終わっていく。これでいいのだろうか。ちょっとよく分からないが、完全に陽のヒカキンでは成立し得ないなにかが生まれているのは確かである。

 その後何本かセイキンの動画を見たが、確かに「何故これを入れた?」という謎の演出がちょくちょく挟まり、謎の不穏さがある。上手く説明出来ないのだが、サブリミナル的ななにかを感じる。もしかすると拙さ、粗さなのかもしれないが、これが彼の魅力と言われればそうなのかも?という気持ちにもなる。セイキンとは一体なんなのか、分からない……