6/12日記

 RADWIMPSが謝罪した。謝罪というより、私にとっては彼らが作詞の裏にあった意図を説明してくれたことの方が重要だった。
 「謝る必要などない」とか「見苦しい」とかいう意見があるが、開き直って何も言わないより、どういう意図があったにせよ自分の気持ちを伝えてくれる方が絶対いい。実際のところは分からないが、あの文章は自分の気持ちを正確に伝えようと思って書いてる感じがした。

 RADWIMPSの曲、私は『君と羊と青』と『前前前世』(のサビ)、あと『ラブラドール』しか知らない。改めてRADWIMPSの歌詞を読んだが、野田洋次郎という人は多分、作詞の際には目を惹く表現を重視し、文法や語義の正確さや文章の意味が通るかどうかには比重を置かないタイプなんだと思う。感情や訴えたいことの方向性さえ伝われば詳細はリスナーに任せます、というか。聞き手の想像に委ねる為に敢えてそうしてるという部分もあるだろう。
 ただ、そういう文章上の拙い部分は必ずしもマイナスではなく、若者らしい勢いとかもどかしさの表現にもなっているし、文章の意味が取り辛い箇所は聞き手があれこれ推測して語る楽しみを生んでいる。
 これも彼らの魅力だったのだとは思うが、そういう作詞法は今回のような慎重さが必要な題材を扱うときには向いてないのは明白だ。

 これからオリンピックに向けて、『HINOMARU』的な歌は増えていくのでは?という見方がある。
 ただ、こういうテーマの曲はたびたび炎上してるし、作詞にあたってかなり技量が試されそうだ。海外マーケットを視野に入れてるアーティストならば特にやり方が難しいので、ガチの人や炎上商法狙いやインディーズ以外ではファッション右翼みたいなのは次第に少なくなると思う。今後は炎上を避けるためにあからさまなものではなく、桜とか大和魂とか絆とか「日本的」で無難なテーマや言葉をちりばめたものが増えるんじゃないか?『ふるさと』とか『カントリーロード』みたいな、保守的かつ牧歌的なやつとか。もしくは言い逃れができるように隠喩を用いたもの。