ご祝儀百万円払う

 去る9月13日、友人夫婦が結婚式を挙げた。めでたい。

 めでたいので、ご祝儀も奮発することにした。 

 

 ご祝儀豆知識なのだが、ご祝儀袋にはランクがある。通常我々が使っている3万円程度のご祝儀袋に、100万円は押し込んでも押し込みきれない。

 そんな……。せっかく富士の日の出をイメージした袋を用意したのに……。 

  

 新郎が枠をはみ出していくタイプの人なので、ご祝儀袋から札束がはみ出しているスタイルはありかな?と思ったが、それはさすがに失礼である。途方に暮れてしまったので、とりあえずイオンに向かった。芝刈り機から歯磨き粉まで、イオンには大抵なんでもあるのだ。 

 

 職場の近くのイオンにて、ご祝儀袋コーナーを探す。1万円〜3万円ランクが並んでいる棚の下の方に、「5万円〜」と「〜300万円」と書かれている袋を見つけた。イオンよ。イオンのあらゆるニーズに応えていく姿勢よ。

 この袋自体もなかなか高いのでどちらにするか迷った。左は5万円〜とのことだが、何万円入るのかは未知数である。右は〜300万円とのこと。そう言われると「それはさすがに」と、覚悟の決まらない自分がいる。この袋を選ぶのであればもはや後には戻れない。完全にガチのやつだ。内袋も厚みを持っており、数十万程度ではビクともしない風格であった。

 悩んだ末、結局左の5万円〜 ランクの袋を選んだ。300万に比べるとランクの低いものだが、ご祝儀袋にしてはなかなかの値段である。松だの梅だの鶴だの、めでたいモチーフ大集合だ。こんな水引見たことない。今後の人生で貰うこともないだろう。

 家に帰って、はじめに使おうと思っていたご祝儀袋と比べて驚いた。あからさまにでかい。

 

 さらにこのご祝儀袋は袱紗に収まりきらない。はみ出すのだ。風呂敷タイプの袱紗であれば臨機応変に対応できたであろう。今後高額の祝儀を払う予定のある人は覚えておいたほうが良い知識だ。 
 

 まあさっさと払うしいっか〜と思い、祝儀を袱紗にぶち込んで当日は早めに式場に向かった。着いたの8時。挙式が11時。我ながら張り切りすぎである。慣れない晴れ着で式場の近所をウロついた末、親戚の方々の次にご祝儀払ってきた。受付の方は百万入ったガチ袋にうろたえることなし。新婦の友人は肝の据わったお嬢さんたちだ。

 結婚式はとても良かった。笑いあり涙ありで料理もスタッフのホスピタリティも最高であった。皆口を揃えて感動したと言っていた。

 

 祝儀については、後ほど新郎からも「札束祝儀最高でした」とのコメントをいただくなど喜ばれたようだったので、みんなも積極的に百万円包んで行くべきである。

 

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