6/21日記

 『Life is Strange:before the storm』がSteamで半額以下になった。前作の主人公の親友・クロエが中心人物になっている。ネタバレですよ。


 クロエ、完全にコースアウトしたヤカラなのだが、新しい学校に馴染めないでいるところに、父親の死、親友の裏切り、母親の無理解、抑圧的な母親の新しい恋人、家庭の財政難と、次々と酷いことが起きてしまっていて、適切なケアがなかったのだろうかと思ってしまう。孤独に苦しむ彼女の日記を見るといちいち涙が出る。精神医療を必要としていても従順な患者以外はいないものとして見過ごされると言われるが、それがまさに起きている。父親の死をまだ受け入れていないのに、母親からは新しい父親を受け入れろと暗に要求されていて、その辺りが結構キツい。母親が問題児の娘に振り回される被害者の顔で要求を通そうとするのがリアルで、意図してないにせよ卑怯だなーと思って吐きそうになる。親も人間なので仕方ないことではあるのだが。このゲームが紹介される時にははかない青春のきらめきが強調されているが、結構重くて抑うつ的な内容なので、同様の経験をした人にはキツいかもしれない。

 このゲームではアメリカの高額な教育費や医療費の問題にも触れていて、なんとも複雑な気持ちになる。ダイナーのウェイトレスであるクロエの母が、学校を停学になった娘に「ダイナーのウェイトレスじゃ苦労する」と言うシーンがあり、ものすごく胸が詰まる。クロエの母には児童教育に携わる希望があったが、夫の死でそれが不可能になったという辛い事情がある。それでも娘を名門の私立校に入れて奨学金でやりくりしてるわけだ。そこには愛があるが、傷ついている娘への理解が十分だとは言い難い。
 所詮はフィクションのなかの悲劇なのだが、それについて考えることに意味がないとは思わない。こういうものに触れるおかげで、現実でなにかが起きた時、そこには背景があると考えられるからだ。