6/5日記

 三日連続で『万引き家族』について書いているのだが、是枝監督が今日はメッセージを発表した。
かいつまんで言うと、
・自分の作品に政治的意図を乗せたつもりはないが、それとは別として自分の政治的スタンスは作品の理解を助けるためにインタビューにて答えている
・そういう状況で『万引き家族』について様々な媒体にインタビューされ、各国の言葉に翻訳される過程で極度に政治的な意味合いを乗せられてしまった(おそらくそれで「カンヌの政治利用である」と言われたことは心外だと思っている)
・『万引き家族』についての的外れな批判は、今の日本の姿を強く浮かび上がらせている気がした
という感じの内容だった。

 是枝監督が言うように、どれだけ否定しようといまこの社会というものに政治は組み込まれているので、政治的発言をしないということも選択の一つでありある種のスタンスの表明なわけである。「政治発言をするな」「政治の話をする人は嫌い」という意見も政治的意味合いをまとっているわけで、結局は逃れられない。政治の話をする人が嫌いというのは単に「政治の話に絡めて他者を攻撃している人が嫌い」ということが多数なのだと思うけど。